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流通政策の根底には、『中小企業基本法』に先行する市場経済体制を維持するための「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独占禁止法」と略す)がある。
自由な経済社会の主体は企業だけではなく、消費者もまた一方の主体である。
仮に、中小流通業者の保護育成策の中に自由競争理念とバランスを欠く部分や、正当な企業間競争を阻害したり、価格メカニズムの機能を低下させる部分が認められるなら、その部分を十分に検討した上で、是正策を講じなくてはならない。
競争促進政策と保護・育成政策『独占禁止法』の理念は、市場経済制度を前提とした“消費者主権”におかれている。
すなわち、誰がどのような製品をどれだけ生産し、いくらで販売するかは企業の自由であり、企業活動は消費者の需要を求めて展開するべきである。
また、価格は、企業が提供する商品と消費者の満足度との相関関係によって決まってくる。
企業間競争と消費者の商品選択の自由を保証する役割を担っているのが『独占禁止法』である。
「自由な競争のもとでの合理的かつ公正な価格形成の確保」のために、独占禁止法は、競争者間での価格協定(カルテル)、取引当事者間の第三者の自由な価格設定を拘束する再販売価格維持行為、取引相手によって合理的な理由もなく異なった価格を設定する差別価格、コストを割った価格で商品を販売する不当廉売(ダンピング、オトリ廉売など)を禁止している。
これに対して、中小企業対策(中小流通業者対策)は、大企業との競争条件上の格差是正のための政策である。
中小企業(小売業、サービス業資本金1000万円以下、または、(常時使用する)従業員50人以下。
卸売業資本金3000万円以下、または、従業員100人以下)の生産性と取引条件向上のために、企業体質強化のための助成と流通業者の組織化、集団化、共同化が推進されてきている。
このような政策がとられた背景には、有力企業を中心として関連グループが形成されるわが国固有の産業構造がある。
すなわち、有力企業を頂点としてそのすそ野を中小規模、零細規模の下請関係企業、関連企業、そして流通企業などが取り巻く“相互依存関係”が成り立っている。
少数の有力企業を取り巻く多数の中小企業群という構図は、事業所数では全体の99%、従業員数では81%、製造出荷額では52%、卸売業販売額では62%、小売業販売額では79%となっている。
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